「社会的な雑音が聞こえてこない大菅沼」
- 年代
- 70代〜
- 職業
- 農家
- 移住区分
- 生粋の魚津市民
- 家族構成
- その他
現在の仕事、活動(地域活動)していること
魚津市片貝地区にある大菅沼は、住民1人の集落です。大菅沼に移り住み、約60年の宮ケ丁さんに、お話を聞きました。
定年退職後は、農業(稲作)一筋です。朝は早く起きるけど、午前8時半までは何もしないと決めていて、ゆっくり家で過ごしています。
冬の間は雪すかしに専念し、3月末から苗を育てたりしながら、田んぼ中心の生活を送ります。
昼間の大菅沼には、田んぼを所有している人たちが、多い時で5人来るので、春から秋にかけて大菅沼もほんの少し賑やかになります。
魚津に対する想い
魚津市は、新川地区の中心であったそのままの姿が残っている街で、ホテルやショッピングセンターも多いです。
自分は、魚津市こそが、とても住みやすいコンパクトシティだと思っています。魚津市内は、どこに住んでいてもすぐに中心部に行けるし、こんなに海と山が近い場所は中々ないと思います。
会社員時代、単身赴任で岐阜、静岡、長野、金沢など中部地方を中心に渡り歩いていたから、定年退職後にやっと自分の場所に落ち着けました。だからなのか、他の場所に移り住みたいだなんて思わないですよ。
大菅沼に拠点がある限り、ここから離れるつもりはないです。
ここが自分の場所なんだ。
住んでよかったと思うこと
自分は昔の自然を感じることのできる場所が好きだから、埋没林博物館の展示物等に興味があります。昔の自然を感じることができるという点では、大菅沼もそういう場所だと思います。
冬の間、大菅沼に人はあまり来ないから、動物と話をしている時もあったり、大自然の中で暮らしていることを実感します。こんな自然環境の中で暮らすことが出来る場所は、魚津市の中ではあまりないと思います。
大菅沼の良いところは、社会的な雑音が聞こえてこないところかな。空気も美味しく、のんびりと暮らせるこの集落はやっぱり好きだな。
生活パターン
ここが不便だと思うこと
大菅沼の生活を受け入れているし、ここでの生活は、全て当たり前だと思っているから、不便さは、忘れることにしています。
かつて、子どもたちの通学や通勤を思うと、大菅沼は「なんて不便なところなんだろう」と思っていましたが、今の自分としてはあまり不便さは感じていなくて、たとえあったとしても不便ということは、忘れることにしています。
ただ、自分は忘れることにしていても、自分を支えてくださっている地区の人や行政等の方々に迷惑をかけているのではと、申し訳ない気持ちも持っています。
移住される皆さんに一言
大菅沼に移住ということで考えるなら、勧めることはしません。100年程前、この集落は14世帯で96人も住んでいたのだけど、10年ほど前に、自分ひとりになってしまった。これが現実。
みんな里に引越しするということは、いくら車社会とはいえ、ここでの暮らしは現実的ではないってことだと思います。
それでも移住したいと言ってくれるのなら、大歓迎するよ。
新聞の代わりに、毎晩ヤフーニュースを検索したり、google earthを見て楽しんだりしている宮ケ丁さん。大自然の中で暮らすスタイルをしっかり確立されていて、大菅沼の生活を楽しんでおられる、ユーモアと優しさに溢れた人でした。
令和3年12月 インタビュー